慶應湘南藤沢高校 帰国生入試の変更点ーグローバルアドミッションの時代⑥

慶應湘南藤沢高等部では、一般入試の募集はしていませんが、全国枠入試と呼ばれる特別入試と帰国生入試を実施しています。昨年まではそれぞれ約20名と約30名だったのですが、2022年度入試では、内進生が増えることに伴い、それぞれ若干名、20名と募集人員が縮小します。

試験内容にも変更があります。全国枠入試では学力試験がなくなり、書類と面接による選考になります。帰国生入試でも英語の筆記試験はなくなり、英語資格を提出する形式に変わります。また、国語・数学も従来の各60分から各45分に短縮され、国語は「課題型小論文」の出題になるということです。英語資格については、TOEFL iBT 70点以上、またはIELTS 5.5以上、または実用英語技能検定試験(S-CBT/CBTを含む)準一級以上を取得していることが条件です。

英語圏にいた帰国生にとっては、それほど高い設定ではないと感じられるかもしれません。ただし、それではミニマムの条件をクリアしておけばよいかというと、そのように割り切ることも難しいでしょう。これまでSFCの筆記試験は、それなりに文法力なども必要としていたため、日本人学校に通っていて、英語も得意な生徒が比較的有利と言えましたが、国語が小論文タイプの出題になり、仮に数学が易化するとなれば、TOEFLなどのスコアを高く出せる現地校生徒や国際校生徒に有利な入試になることが予想されます。

日本人学校に通う生徒は、TOEFLなどの検定試験対策を、インターなどに通う生徒は、日本型数学と小論文の対策を強化することが大事になってきます。