文化学園大学杉並の共学化は帰国生にとっても大きなチャンス

文化学園大学杉並が2018年4月から共学になることを発表しました。もともとダブルディプロマを発表した一昨年以来、文杉は、都立国際やICUなどの高度な英語教育を実践する学校を目指す帰国生が検討する学校の一つとなっていました。2018年度からの共学化についてまだ詳細は明らかになっていませんが、もし高校募集でも共学になるということであれば、グローバル志向の男子中学生にとっても、大きなチャンスが到来したと言えます。

海外のインターでMYPやIGCSEといったカリキュラムで学んできた場合、それまでの学びを活かせるカリキュラムとしてIBディプロマをイメージする人は多いと思います。しかし、IBDPはハードルが高いのも事実です。都立国際のように費用面でのハードルが低いと、今度は入学難易度というハードルが高くなるという需給バランスが働きます。その点、文杉のダブルディプロマは、国内インターに比べて費用面が格段に抑えられるだけでなく、日本の高校卒業資格を持ちながら、ブリティッシュコロンビア(BC)州の統一試験資格を有することができます。しかも、BC州のカリキュラムはIBカリキュラムとの親和性が高く国際標準ですから、海外大学受験資格が得られる機能もIBDPと同等です。文杉のダブルディプロマについては、21世紀型教育機構のこちらの記事をご参照ください

帰国生教育の方向性は、従来の国内大学進学一辺倒から、グローバル大学進学へと拡がりを見せつつありますが、男子中学生が目指せるグローバル志向の高校はまだまだ少ないのが現実です。首都圏では、早慶を初めとする大学附属校に入れればよいという保守的な層が多い中、ICU、かえつ有明、工学院大附属、渋谷教育学園渋谷、三田国際学園といった高校が、グローバル大学進学を視野に入れた先進的な帰国生教育を実践しています。

こういった共学校の中でも、ダブルディプロマの文杉は、2018年度からひときわ大きな存在となってくるでしょう。今後の大学入試改革の流れ、社会の変化などを考えに入れれば、文杉は、これまでのドメスティックな偏差値的学校序列を超える高い評価を得ていくことになるはずです。