東大のイマ ①― 新型コロナウィルスで何が変わったか

こんにちは。 東京大学大学院修士1年の湯浅です。 今回はコロナウイルスの流行によって外出自粛期間となっていた間、大学ではどのような状況になっていたかについてお話しようと思います。

学部によって対応が違うところはあるかと思いますが、私の所属する東大の電気系(学部の電子情報工学科と電気電子工学科、そして大学院の電子情報学専攻、融合情報学専攻と電気電子工学コース)では、他の多くの大学とは異なり、自粛期間中も通常通りのスケジュールで4月3日から全学期の授業がすべて開講されていました。 しかし、ここでいう「授業」というのはすべてオンラインの会議室を用いたいわゆる「オンライン授業」と呼ばれるタイプのものでした。
 
普段は教室に集まりプロジェクターなどを用いて行われる授業が、今度はzoomなどのオンライン会議アプリを通じて、スライド資料を画面共有した状態で開催されるという形態が学期のはじめから標準化されていました。 学科が普段からパソコンやネットワークに関連のあることを扱っていることもあってか、オフラインの授業が開催されていた時でもスライド資料中心の講義が多かったため、比較的スムーズにオンラインの授業形態に移行できていたように感じます。
 
こうしてスムーズに授業が始まったのも、ひとえに電気系の先生方のご尽力によるものが大きかったと思います。 学期が始まる前には電気系全体を集めたslack(企業などでも使われる団体内でのチャット連絡アプリ)が作られたり、オンライン授業開催に向けてテスト配信と称して先生方の説明を受けるとともにチャットを通して自由に質問する機会が設けられたり、前例のない形態についてかなり柔軟な対応が取られていました。 授業を受ける側としては普段と変わりなく、さらには授業間の移動時間などが短縮されたおかげでいつもよりも楽に自宅から授業を受講することができて、とても助かりました。
 
授業の評価方法については、試験をオンラインで行うことが難しいと考えられていたためか、出席やレポート中心の授業が大幅に増えました。 私が今受けている授業もすべてが出席もしくはレポートによる成績評価です。 また授業間の移動時間を考慮する必要がないので、異なるキャンパスで行われている授業を連続して取るというようなことが可能となり、選択の幅が広がったというオンライン授業の大きなメリットも感じました。

現在も引き続きオンライン授業が続いており、少なくとも前学期中はオンライン授業を執り行っていくのだと思います。 私も身だしなみを整えて出席しなければ行けない通常授業よりも、寝起きでも参加できるオンライン授業のほうが性にあっている気がしているので、コロナが収束したあともこの形式が続いてくれないかと期待しています。