「グローバル教育3.0」を考えるパネルディスカッション

先日(2月18日)、21世紀型教育機構主催の第2回「新中学入試セミナー」が工学院大学の新宿キャンパスで開催されました。私はセミナー中盤の「グローバルコミュニティと連携する」と題されたパネルディスカッションでコーディネーターを務めて参りました。

2018年中学入試は、思考力入試や英語入試など新タイプの多様な入試が一気に拡がりました。この動きの背後にあるのが「グローバル教育3.0」というフェーズです。
新中学入試セミナーの締めくくりに登壇した工学院中高の校長平方先生が次のチャートで整理してくれましたが、CEFR基準のC1英語、そしてグローバルイマージョンの具体的な取り組みについて、八雲学園の菅原先生、聖学院の伊藤先生、文化学園大学杉並の窪田先生、工学院附属の田中先生にディスカッションしていただきました。

21世紀型教育機構ホームページより



「グローバルコミュニティ」のパネルで話題にあがった各校の取り組みについて、本間勇人さんがその意義をブログで解説されています。

グローバルコミュニティにおけるコミュニケーションを、「多重型連携」というキーワードでまとめ、この連携のあり方が、今後の新しい政治経済システムのプロトタイプになると指摘しています。

パネルディスカッションでも、グローバルシティズンという言葉が何度か登場していたように、所属する集団内の階層に閉じ込められた成員としてではなく、肩書や所属を超えた個人同士が多元的に接続できるコミュニティに向けた準備が必要になることは明らかです。

デジタルネットワークの発達によって距離や時間の隔たりを乗り越えることができるようになりましたが、最後に立ちはだかる壁が、言葉の壁です。この言葉の壁は、単なる伝達ツールとしての「英語力」の問題なのではなく、思考や文化そのものである言語を相対化できる外国語能力、そして非認知的スキル(例えばアート)によって克服される壁なのかもしれません。そういう意味で、パネルディスカッションで話にあがった各校の取り組みは、まさに「グローバル教育3.0」という名に相応しいものであったと言えます。

デジタルネットワークによって瞬時に世界につながることができる時代に、どのような学びが必要になるのかという議論の幕開けとなったのではないかと感じています。