英検とTOEFLの危機対応の違い

今回の新型コロナの感染拡大による経済活動への影響は、甚大なものがあります。飲食店やスポーツクラブなどへの営業自粛要請は、中小企業の経営に大きなダメージを与えています。幸いにしてGLICCはもともとオンラインを主体としてサービスを行っていたため、大きな混乱はなく、現在もすべての授業をオンラインで行っています。
 
さて、ここからが本題です。2020年の第1回英検(5月29日から31日に実施予定)は、1ヶ月ほど延期になり、6月28日に変更されたようです(英検協会ホームページ4月24日更新情報による)。これは当然の措置でしょうが、果たして6月末に本当に実施できるかどうかは現段階では分かりません。たとえ感染拡大の勢いは弱まっていたとしても、それでも感染リスクがあるという理由で受検を控える人も多くいることでしょう。

一方、TOEFLはどうでしょうか。こちらもテストセンターは営業していませんが、実は在宅で試験が受けられる体制に早々と切り替えました。受験料は235ドルと、従来と変わりません。もともとインターネットベースの出題では、一人一人が端末上の問題に取り組み、端末のマイクにスピーキングを吹き込んでいたわけですから、自宅で受験しても何ら問題がないのです。

このように、テクノロジー活用の違いは、売上の違いとなってさらなるイノベーション格差につながっていきます。
 
UCLAに留学している知人に聞いたところでは、UCLAも新型コロナの影響で休校になりましたが、休校が決まった2日後にはすべての講義がオンラインで提供されるようになったということです。その対応の素早さにも驚かされますが、オンラインでは実際の講義と100%同じではないからという理由で学生から授業料の一部返還を求める声が上がったことに対して、学長は100%同じ内容を提供していると要求をはねつけ、一切の減額に応じなかったというのです。この自信、そして教員やスタッフがそれを裏付けるスキルを有しているということが、何か現在の日本のICTを取り巻く状況と対照的だと感じさせられました。

英検のオンライン実施はいつになることでしょうか。