家庭における英語学習 (GLICC Newsletter 2024年6月号記事より)

5月のゴールデンウィーク以降、会員対象に「パーソナル学習コーチング」を実施してきました。何人かの方からかなり成果が上がったというご報告をいただいているので、6月以降も推進していきたいと思います。今回は少し詳しくこのコーチングサポートについて書いておきます。

まず前提として、英語学習(第二言語習得)には、「Acquisition(習得)」によって身につける方法論と「Learning(学習)」によって身につける方法論があります。幼児から小学生であれば前者の比重を高くしていくことが重要で、早期から文法や語彙に比重を置いた効率重視の学習をしているとかえって英語習得を阻害するという理論があります。スティーブン・クラッシェンという学者の「ナチュラル・アプローチ」が有名で、とりわけ「インプット仮説」や「モニター仮説」と言われる理論をGLICCでは採用しており、母語を介した訳読(あるいは文法知識)は、小学生までの段階では自然な外国語習得の妨げになると考えています(クラッシェンは大人においても同様だと考えていますが、ひとまずここでは深入りしません)。

さて、ここからが本題なのですが、ナチュラルアプローチによる言語習得理論によれば、外国語学習には、大量のインプット(しかも理解できる範囲の、わずかに自分の実力より高い程度の内容)を浴びる必要があり、さらに過度な緊張(テストの点数でクラスが変わるなど)に晒されていないことが鍵となります。簡単に言えば、子どもが理解でき、しかも好きな素材でインプットすることが重要なわけです。これは頭では理解できますが、実践するのはなかなか難しいことです。なぜなら、子どもが好むコンテンツは必ずしも親が望むコンテンツとは限りませんし、また、受験などの現実を前にすれば、英検なりTOEFLなりの英語資格や、テストで合格するだけの得点力を身につけさせる必要があるからです。

これはほとんどの親御さんの共通のお悩みであるように感じます。そこで「パーソナル学習コーチング(会員無料)」をお勧めします。やり方は簡単です。生徒と保護者と私(鈴木)とで三者面談を設定します。その面談で、宿題や自宅学習のメニューについて、本人と保護者が納得する内容をご提案します。動画やリスニングを中心とした学習素材については子どもの納得感は概ね高いものになります。問題は、保護者の納得感です。動画を観るのはよいけれどそれをやりっぱなしではなく単語力や英語知識にどうつなげていくのかという点です。ここに学習アプリを活用します。このアプリの設定およびボキャブラリーリストの提供までをこのコーチングで実施します。英語の単語を覚える際に大切なことは、音声つき・例文つきのアプリを使うという点です。フラッシュカードにはQuizletなど使い勝手のよいものが多数ありますが、ここでさらに大切なことは「分散学習」と呼ばれる記憶のメカニズムを活用できるアプリであるかどうかです。

ぜひ1ヶ月だけ試してみてください。現在英検3級の人は準2級に、現在2級の人は準1級に、現在TOEFL 60の人はTOEFL 80に間違いなくレベルが上がっていきます。

万一これがうまくいかない場合は、学習習慣に問題があるかもしれないので、・・・30分3~4回の有料オンラインコーチングを試してください。30分あたり2,000円で承ります(ただし、しばらくの間は会員限定のサービスです)。