かえつ有明中学 第1回学校説明会ー学習する組織の進化

5月25日(土)、かえつ有明中は2019年度の第1回学校説明会を実施しました。この日は早くも夏が到来したかのような暑い日でしたが、続々とやって来る保護者や子どもたちが会場を埋めつくし、椅子を増設するほどの人気ぶりとなりました。

ここ数年安定した人気を誇っているとはいえ、最初の説明会にどれだけ人が集まるのかは広報の先生方がハラハラしながら気にするところです。今回の説明会に先立ち、かえつ有明の広報部長の宇野岳史先生と内山誠至先生は塾向けの新企画を打ち出しました。それが「受験生向けNewsLetter」です(このリンクから第2号のPDFが開きます)

中学入試に関わる多くの媒体が保護者向けの記事発信が多くなる状況に対し、宇野先生は、あえて受験生の目線に立った広報企画を打ち出しました。
こういう企画がさらりと出るところは、今のかえつ有明の強みでしょう。帰国生が集まり、高校からPBLの学びのスタイルを推進する新クラスが誕生し、生徒のMindsetが解放され、安心安全な環境ができあがりました。実はこの安心安全な環境こそがクリティカルでクリエイティブな思考を可能にするのです。


  思考力のトレーニング講座の様子

5月27日の説明会と同時並行して行われた「思考力のトレーニング講座」は受付開始してすぐに50名の定員に達したということです。この講座を運営するのは、主にかえつ有明の卒業生である大学生チューターです。この日は英語科の山田先生のスーパーバイズのもと、二人のチューターがテーブルを回りながら、子どもたちの思考を引き出していました。

 


  受講生と対話する学生チューター

 
 
 
チューターの一人は大学4年生で、最近外資系の企業に内定をもらったということです。
「中学1年生の時に入学してから大学4年生までの10年間、ほとんど人生の半分も学校に関わっていますよ」と驚きながらも嬉しそうに話してくれました。こういうチューターの存在もかえつ有明の学校文化の一つと言っていいかもしれません。
 

つまり、ロールモデルが常に身近に存在している学校なのです。思考力講座に参加した子どもたちは、図書室でプロジェクト・ベースト・ラーニング(PBL)を行っているかえつ生の授業を肌で感じたはずです。というのも、思考力講座の開催場所は図書室「ドルフィン」内に設置されたワークショップルームで、すぐ隣のスペースでは、在校生がふだんのサイエンス科の授業を受けていたからです。

サイエンス科の授業では「カップラーメン」を作る企画をしていました。各社のカップラーメンの形状を比較しながら議論している中学生を見て、この日の体験講座に参加していた子どもたちはふだん勉強している世界とはまったく異なるワクワクするような学びを見てとったはずです。

土曜の午前中に実施されることの多い学校説明会の時間帯は、必然的に授業時間と重なるために、多くの学校では、なかなかイベントを打ちづらいと感じていることと思います。かえつ有明では、この重なりを緻密な計画とチームワークによって強みに変えています。
 


    受験生向け学校説明会の様子

今年から始まった新しい試みである「受験生向け学校説明会」では、「思考力のトレーニング講座」が終わった後、受験生に部活や行事を中心に学校の様子を伝えていました。

第一志望校を親が決めていた時代から、最近では子どもが自分の行きたい学校を選ぶ傾向があります。そんな時代の風潮にも敏感で、しかもその動きにすぐに対応できる。それは、一人一人のポテンシャルを最大限に活かす組織マネジメントが存在しているからこそ可能になるのです。

かえつ有明を「学習する組織」と形容するのは、そのような理由によります。