GLICCでは3月が新学年の切り替えとなっている関係で、今月は講師と打ち合わせながらカリキュラムの調整を進めています。
今日は新小5の帰国生英語クラスで、早速新しいアプローチの授業を行いました。
これまでは、クラス授業ではリーディングと文法、スカイプ個別指導ではインタラクティブな英語というように、中心的に習得すべき技能を基準として内容を分けてきましたが、今年度は、どちらの時間にも探究型学習の手法を一部取り込みます。生徒にも「Inquire(探究)」という参考書を持ってもらいます。
これによって思考スキルを英語の授業でも本格的に導入することになります。教員とチューターの研修も同時に進めていますが、幸いなことにGLICCのネイティブスピーカーの先生は、みなTESOLの有資格者ですし、英語担当チューターは全員海外での学習体験を持つ帰国生です。つまり、「コンテンツと言語の統合学習」(CLIL)とか「思考の次元」(タキソノミー)とか、「多重知能」(MI理論)といった概念がすっと通じてしまうスタッフなのです。
リアルタイムの会議(オンライン会議を含む)で共有するのは、現段階ではコアメンバーのみですが、確認できた内容はマンモスプロジェクトを通してプロジェクトメンバーにシェアされます。記録が残るので、現メンバーだけではなく、未来の仲間もプロセスを共有することが可能です。
自動翻訳もかなり実用的になっていくであろうこれからの社会で外国語学習は、どのようなものである必要があるでしょうか。文法やスペリングはすでに無料アプリがほぼ完璧にチェックしてくれます。大量の英文もグーグル翻訳が即座に日本語に変換してくれます。AIが活躍できない領域はだんだん少なくなっていくことでしょう。
ただし、外国語学習に伴う思考様式については、まだまだAIには担えない部分かもしれません。英語学習の意義は、思考様式の相対化へと、つまり言語体系の位相を意識化することへと移っていくのではないでしょうか。
GLICCでは、日本語による思考コード・思考スキル、さらに英語による探究スキルなどを意識化することによって、AI時代にも有効な思考力を育てていきたいと考えています。
ところで、探究型学習を本格的に採り入れていくのは今のところ、帰国生小学部クラスとインターコースのみです。通常の中学部・高校部コースでは、しばらく様子を見ていきます。定期試験や受験のニーズに応えることもGLICCの大切な役目ですから、そこに対して最適なカリキュラムを組むことを忘れずにおきたいと思います。