Sep
02
2017
By hiros
小論文で評価されるポイントは、文章がうまく書けるかどうかということよりむしろ、課題文を正確にまたクリティカルに捉える力だったりします。
例えば、上に掲げた小論文課題(早稲田大学帰国生入試の過去問)を見てみましょう(設問文は短く編集して下に掲載)。
筆者は、近代公教育制度が、教科の知識を一律・一斉に教えてきたことを、産業社会の維持発展のための再生産システムとして批判している。一方、OECDは、経済発展を左右する最も重要な要因の一つとして教育をとらえ、「学習到達度調査」を開始した。これは、学んだ知識や技能を様々な問題を解決するために活用し、社会をよくするために応用できる資質や能力を調査するものであると言われている。OECDの発想と、筆者の「社会力」との関係について400字以内で論ぜよ。
近代産業社会で求められている能力とOECDの「学習到達度調査」で求められている学力が異なることを前提とした上で、さらにOECDの発想と、「社会力」すなわち「他者を助けることを喜びとする心性を呼び覚ます力」の育成との関係を表現していく必要があります。ここでは両者の良し悪しについての判断は求められていませんが、OECDの発想をどのように捉えるかで意見が分かれることがあります。最初から自分が前提としていることが正解だと思い込まずに、他の生徒の意見に耳を傾けることで新たな考え方が発見されたりするのです。
GLICCの小論文オンラインでは、受講生と講師、また受講生同士のディスカッションを大切にします。そのような対話を通して、クリティカル&リフレクティブな物の見方が磨かれていくのです。