中学入試の新時代が始まります

いよいよ2月1日から東京・神奈川の中学入試がスタートです。

2017年度の中学入試では、新入試(思考力入試・英語入試・高次思考重視の2科4科入試)が大きな盛り上がりを見せていて、1月30日の朝日新聞デジタルでも、私立中学で入試の多様化が加速していることを伝えています

2月1日から首都圏で本格化する私立中学入試の多様化が加速している。従来の教科に加え、思考力などをみるアクティブラーニング(AL)型や英語を選択できる学校が増加。大学入試改革も意識し、様々な能力を持つ子どもを受け入れたいという思惑がのぞく。

首都圏模試センターによると、首都圏で165校が従来型の2科4科とは異なる入試を実施していると、詳細なリストをPDFにして掲載しています。 

このような新入試の広がりは、単に2020年の大学入試改革を見据えた対応であるというよりも、多くの学校で教育の中身が21世紀型教育に切り替わりつつあることを反映していると言ってよいでしょう。アドミッションポリシーが変わるということは、カリキュラムポリシーやディプロマポリシーも同時に変わる兆しと言えるからです。ただし、そこは学校ごとに教育内容を慎重に見ていくことも必要です。

思考力入試を本格的に取り組んでいるかどうかは、その学校の知の系譜を考える上で大きな参考になると、私立学校研究家の本間勇人さんも指摘しています

本格的な思考力入試は、かえつ有明、聖学院、工学院、富士見丘。この順番は、中学入試でこのような思考力入試を実施したのが速い順である。この流れは思考論的転回という最先端の知の系譜である。

このような動きの早い中学校がある一方で、大学入試が変わることに戸惑いを感じている中高もあるようです。おそらく従来型大学受験指導の先生が教務の新しい知のあり方を抑えつけているのかもしれません。偏差値とは異なる尺度で学校のあり方を考えることに抵抗があるのでしょう。

それがより顕著なのは、偏差値依存型の一部の塾・予備校です。従来型の偏差値による進路指導が幅を利かせている塾では、この新入試の動きにあえて沈黙をしている可能性があります。

4科入試というすでに出来上がったシステムを変えることは、大きな困難や代償を伴います。売り上げのことを考えれば当然の抵抗かもしれません。しかし、時代は確実に動いています。その元年とも言えるのが2017年の中学入試となります。

2月19日に、21世紀型教育機構が、さらに様変わりする中学入試を予想するということです。来年以降の受験生はこちらのイベントに参加し、新しい中学入試の潮流をしっかりと感じてください。

従来型の塾・予備校では聞けない驚きの話になること、間違いありません。