GLICCの顧問で、私立学校の先生方とクリエイティブ学習プログラムの開発を行っている本間勇人さんのブログに「<新しい学びの経験>を共に創る(02)システム思考と社会システム論は矛盾するか統合できるのか?」と題する考察が掲載されています。
ニコラス・ルーマンは、かつてハーバーマスと論争したことが知られている社会学者ですが、そのシステム理論は非常に難解で、何冊か解説書を読んでもどうも私にはしっくり理解できませんでした。
しかし、本間さんの考察を読んでみると、ルーマンの社会システム理論は、「主体」を想定する啓蒙思想とは、一見相容れないところがあるという前提がすっと頭に入ってきます。ハーバーマス=ルーマン論争の核心が分かったような気になりました。
さらに示唆に富んでいるのは、「主体」を想定するコミュニケーションシステム(ブログではハーバーマスではなく、ピーターセンゲのシステム思考を例にとって説明しています)と、「システムと外部」の要素だけを考慮に入れ「主体」を含めない考え方(社会システム理論)を統合するような思考の提案をしていることです。
何によってそれができるのか。それはPBLとSTEAM教育にヒントがあるということです。本間さんにはその具体的な方法が見えているはずですが、ここから先は私にはまだよく分かりません。もう少し手がかりを模索して、本ブログでも書いてみたいと思います。
教育に関心のある方、「ホンマノオト21」は必読のブログです。ぜひ継続してお読みになることをお勧めします。