IBの最終試験が近づき、Japanese Aを履修している教え子たちもディプロマ取得の追い込みで忙しい毎日を送っているようです。
IOCとIOPが一気にやってきて、その準備に追われる一方で、最終試験のために分析するPart 3の作品の読み込みも十分ではないと焦る気持ちもあるのでしょう。Paper 1やPaper 2の模範解答例のようなものはないですかという質問をしてくる生徒もいます。
かつての生徒が書いた良い答案はいくつもあるので、参考にしてもらうことはあるのですが、同じ問題が出ることがない以上、実際には気休めにしかなりません。
それでも、過去に良い評価を受けた生徒(日本語で7を取得した生徒)の答案に共通する性質は伝えるようにしています。
他人がどのような分析をしたかは気にしない
他人の成果に頼ろうとしないメンタリティこそが自分の成績をあげる極意です。誰かがすでに書いていることは自分の書くべきことではないのです。そんな暇があるなら、自分自身の分析を論理的に詰めていく方が生産的です。
問われていることを明確にし、それに答えるようにする
書く必要のないことは答えなくて良いです。字数稼ぎは要りません。ただし、例えば作品の文学史的知識は、作品の解釈に必要であることがよくあります。主題が聞かれているから文学史的知識は書かなくてよいということではなく、時代背景が作品の主題にどのように関係したのかといったことを書くことが大切です。
複数年の過去問に目を通し、問いを構造化しておく
問いは無限のように見えてそうではありません。いくつかの要素が組み合わせとなってバリエーションを生んでいるだけです。視点や語りに関するもの、人物の心情や性格に関するもの、プロットや伏線に関するもの等々、出題の観点を整理しておくことで分析するべきことが整理されるはずです。