「創造的思考力」というと、天才的なひらめきのように感じるかもしれませんが、GLICCでは、私たちがふだん意識せずに発揮している能力の一つだと考えています。
企画会議の最中や明日のプレゼンの構想を練っているときはもちろん、ウィットやジョークのある会話や、あるいはアドリブ演奏のような瞬間的な展開においても、創造的思考力が働いているのだと思います。
そしてその思考の裏には「批判的思考」が同時に働いています。つまり、まったく新奇なことを考えているわけではなく、これまでの慣習的なやり方を分析して、従来のやり方を乗り越えようといるわけです。
従来の入試問題ではこのような「批判的・創造的思考」はごく一部の学校でしか問われてきませんでした。理由は選考に時間がかかるからです。
優秀な人材を採ろうとする入社試験では、面接やグループディスカッションなどを通して発想力やコミュニケーション能力が問われているのに、大学入試を初めとする受験ではそういう力が問われてこなかったというのは実に不思議なことです。「効率性重視の20世紀型選考」と言えるのかもしれません。
2020年以降大学入試改革が行われると、21世紀型の選考・評価へとシフトしていくはずですが、だからといってそれは知識を軽視するということではありません。例えば英語で言えば、単語力がないよりはあった方がいいには違いないわけです。ただし、やみくもに単語を丸暗記するのではなく、文章や会話の中で使えることを意識した単語力がより大切になるということです。