ICT化を阻む二つの壁

日本の学校のICT化の遅れというと、すぐにハードやwifiなどの設備が充実していないといった方向に話が向かいがちですが、問題はむしろICTリテラシーの方です。

今時パソコンを使わせない教育があり得るのでしょうか、と私は思うのですが、ICTを導入すると都合が悪いことがあるのでしょう。それを想定して列挙してみます。

まず、設定や操作が面倒くさい。または壊れた時に直せないといった技術的な問題。これは、ICTを電化製品か何かだと感じているからそう思うのであって、コンピューター周辺にトラブルはつきものだと思うことが大事です。そのトラブルに対処する力こそがICTリテラシーの一つでもあると考えてもらうしかないのですが、この手の先生は、ICT技術は何か特殊な能力で、誰か専門家がやるものだと思っているわけです。数学の先生が自分の担当は国語ではないので文章は書けないよ、誰か国語の先生に書いて欲しいという理屈と同じです。ICTリテラシーは、どの科目の先生にも必要なもので、字を書く能力の延長にあるのだという認識を持つべきです。

次に、導入して何をするのか意味がわからない、つまり目的が明確でないという問題。このような指摘をする人は道具を使わないうちに目的を固定化して考えてしまっている点ですでにアウトです。道具のもつ可能性を探るのがICTリテラシーです。完全な体系ができてからと思っているうちに、技術はまた進み、さらについていけなくなります。走りながら考えることがこの時代に必要な力です。

さらに、ネット上で子どもが危険にさらされるといった議論。これも不毛。だからこそリテラシーが求められているというのに・・・。

こういった懸念を表明している先生は、自分がICT弱者だから権威が崩れることを恐れているのでしょうか。でもそんなことを気にすることはないのです。そのような先生が考えているような権威の元(解答)などはインターネットにあるのですから。

学校だけではなく、家庭における意識ももう一つの壁となっています。

子どもに携帯を持たせるのは、主にGPSで居場所を確認するためであったり、家族同士のメッセージとしてLINEを使う目的だったりして、だからタブレットやラップトップPCを買い与える家庭は非常に少ないと思われます。

タブレットは携帯よりも画面が大きい分、情報表示に優れていますし、PCは、さらにキーボードがフルに利用できて、処理スピードが上がります。

小学生はタブレット、中学生以上になればPCというのが理想的なデバイス環境です。

さて、長々とこういう不満を書いてきたのは理由があります。グリックでは、本格的にオンライン指導を開始します。まずは塾生にシステムを利用してもらうところから少しずつ始めています。これから入塾される方にぜひ持っていて欲しいものがタブレット端末かPCです。

オンラインでもリアルでも繋がることで、学習効率は非常に高くなります。ぜひ、生徒たちに自分専用のPCを持たせてください。今ならクリスマスプレゼントにギリギリ間に合うかも。