2020年2月1日(土)、東京と神奈川の中学入試がスタートしました。私が訪問したかえつ有明では、多くの受験生と保護者が集まり、校門前で待っている塾の先生との握手に力が入っていました。
学校の勢いは、入試風景に表れます。人気が上がっている学校には多くの塾の先生が応援に来ますし、合格に向けての生徒の気合、そして塾の先生の気合の入り方が違います。入試風景は、いわば学校の勢いのバロメーターなのです。
広報担当の内山先生に聞いてみると、今年は2科4科を中心に受験生が増加しているとのこと。午前中も相当増えていましたが、午後はさらに激増しているということでした。帰国生入試も快調だったようですから、多様性を許容するかえつ有明の学習環境の良さが口コミで広がっているということでしょう。これまでは、思考力入試や帰国生入試といった、従来型とは異なる尺度で学校を評価する受験生と保護者の支持を受けてきたかえつ有明ですが、今年はさらに従来型の入試方式を志向する層も大きく取り込んだわけです。
ここには大きなヒントがあります。つまり、かえつ有明が着実に人気を上げてきたのには、学習環境や入試方式の多様性により、様々な生徒が活躍できる場ができていることが大きいのですが、実は一般受験生の中にそのような潜在ニーズがあるということです。
2科4科の受験勉強をするために、習い事を中断したり、好きなサッカーを我慢したりしてきた受験生が自分たちを開放できる学校がどこかと探したとき、かえつ有明で多様な才能がそれぞれの方向へと成長している雰囲気をキャッチしたのでしょう。
帰国生ではないけれど帰国生のように英語を使いたい、あるいは、手入れの行き届いた人工芝で思いっきりサッカーをやりたい…等々、2科4科受験生の中でも、受験が終わったらそのような学校での生活に入ることを期待しているはずです。そう考えると、かえつ有明が10年近くにわたって実践してきた帰国生入試や思考力テスト、そしてそのテストによって入ってきた生徒が今日の一般受験人気の火付け役となったことは間違いないでしょう。
まだ一部の塾では、大学の合格実績を見せながら、中学受験の意義を説いているところもあるかもしれませんが、中高の6年間は、大学に行くための予備機関ではないのです。どれだけ多様な才能が見出される場所であるのか、それを考える保護者が増えていることがかえつ有明の人気の背景にあります。