ケンブリッジやオックスフォードの面接選考がユニークなのは、『あなたは自分を利口だと思いますか』の書籍でも紹介されている通り、答えのない問い、もしくは答えが一つではない問いによく表れています。アメリカの大学ではそのような面接はあまり知られていませんが、シカゴ大では、小論文(Essay)で同様の問いが出題されています。シカゴ大学ではアドミッションポリシーに何かこだわりがあるようです。どんな問いなのか見てみましょう。
You’re on a voyage in the thirteenth century, sailing across the tempestuous seas. What if, suddenly, you fell off the edge of the Earth?
(あなたは、13世紀の激しい海を渡る航海をしています。突然地球の端から落ちてしまったらどうなりますか?)
この問題は13世紀の常識で考えることが前提になっているのでしょう。地球は丸いので「端から落ち」ることはありませんなどといった答えは期待されていないことは明らかです。
地球の端は滝のようになっていて、その下はパラレルワールドになっていますなんていう解答の方向性はどうでしょう。面接ならば相手からの質問などで対話が発展していきますが、エッセイだと自分なりのストーリーを作ることが必要になります。その分想像力が必要になるのかもしれませんね。
How are apples and oranges supposed to be compared? Possible answers involve, but are not limited to, statistics, chemistry, physics, linguistics, and philosophy.
(リンゴとオレンジはどのように比較することが想定されるだろうか。あり得る答えというのは次のような領域に関係するだろうが、それに限定して考える必要もない。ーー統計学、化学、物理学、言語学、哲学)
あなただったらリンゴとオレンジをどのように比べてみますか?などという問いは、小学生にも聞いてみることができそうです。こういった一つの答えのない問いを小学生のうちに考える習慣は「創造的思考」をトレーニングする上でとても大切です。
「これ習っていません」とか「知りません」と言って思考停止になる子どもを、「答えがある世界」から解放するはずです。
GLICCの「英語哲学対話 オンライン」では、そのような授業を毎週行っています。今なら体験を受け付けていますので、ぜひご参加ください。