【2017 中学入試】首都圏模試データからみる志望者動向②
前回の記事に引き続き、首都圏模試センターの「度数分布表」を元にして、志願者の増減が多い学校を挙げていきます。
MYPでeAssessmentが始まりました
国際バカロレア(IB)のMYPで、2016年からeAssessmentが始まりました。
【2017 中学入試】首都圏模試データからみる志望者動向①
首都圏模試センターのWEBサイトの「度数分布表」に、模試結果による志望者数の推移と受験者の偏差値分布が掲載されています。
中学生の定期試験対策。。。
グリックでは、中学生の定期試験対策も行っています。生徒のモチベーションにつながるのであれば、点数が上がる方がいいに決まっていますから。
しかし。。。
このようなグローバル化の中にあっても、定期試験の内容というのは、この半世紀ほどほとんど変わっていないのです。
中1の英語の問題を例に取れば、Kenなどと名前を呼びかけた後にカンマがなければ減点ですし、センテンスの最後にピリオドがなければ、これまた減点です。
punctuationの大切さを教える事に異論はありませんが、スペリングや文法の間違いをアプリが指摘してくれる時代に、こういうことによって中1の最初の成績が決するというのは、いかがなものかと思います。
こういう事に注意して点数をあげるくらいなら、もっと大事な事をたくさん学ぶことができるだろうにと残念な気持ちになります。
大学入試問題の前に、定期試験の内容にこそ国民がもっと目を注ぐべきなのかもしれません。
Dutson先生の「哲学授業」を開講します
かえつ有明で帰国生クラス(Honors Class)を教えているDutson先生がいよいよGLICCに登場します。
英語で哲学的対話を行う「哲学授業」では、探求を深めるための「問い」を引き出し、より高いレベルの知に誘います。Dutson先生の授業は、国際バカロレア(IB)の「知の理論(TOK)」のスタイルを取り入れつつ、より広い範囲についての議論を自由に行う「ソクラテスメソッド」に依拠しています。
ケンブリッジ大学で修士課程で学んできたDutson先生から、2000年以上の長い歴史を持つ「哲学」の世界を直接体験するチャンスです。
帰国生入試で集団面接を控えているという子どもはもちろん、思考を刺激する対話を英語で経験してみたいという方にぜひお集まりいただきたいと思います。
- 10月8日(土) 無料体験授業 各クラスとも定員10名
- 午後4時~4時50分 : 小学5年生
- 午後5時~5時50分 : 小学6年生
議論を創造的なものにする資質とは
面白く活発な議論というのは、そこに参加している人が自由な雰囲気を感じることで生まれてきます。そして、その雰囲気というのは誰かが「リスクテイク」することで拓かれていくのだと思います。
つまり、リスクテイカーになれるかどうかが議論を活性化する鍵です。「こういうことを言うとみんなから馬鹿にされないか」などといった不安を克服して、自分の思ったことを発言していくことがグループの創造性を引き出すのです。
グリックでは、クラス内の対話や議論を重視します。それは入試の集団面接対策といったことを越えて、大げさに言えば、今後の人生の根本的なスキルになっていくのだと考えています。
2017年度 帰国枠大学入試がスタート
9月3日(土)に、早稲田大学の帰国生入試が実施されました。政経学部は2015年度から共通試験方式での帰国生募集は停止しており、グローバル入試という名の試験制度で国内の受験生と合わせて募集をしています。今年は4日(日)に政経学部のグローバル入試が実施されたので、生徒によっては3日・4日と連続の入試日となりました。さらに慶應を併願し1次の書類審査に合格している生徒は、5日が法学部、6日が総合政策、7日が経済学部、8日が文学部と続くので、かなりハードな1週間となります。
今年の帰国生入試の小論文Bの試験問題を受験してきた生徒から見せてもらいました。ここ数年早稲田の帰国生小論文では、似たようなテーマの出題が続いていますが、今年もその傾向は変わっていません。すなわち、共同体の紐帯や社会力といったものが弱まっている現代社会に対する問題意識を問うものです。
「思考力重視=知識力軽視」ではない
「創造的思考力」というと、天才的なひらめきのように感じるかもしれませんが、GLICCでは、私たちがふだん意識せずに発揮している能力の一つだと考えています。
企画会議の最中や明日のプレゼンの構想を練っているときはもちろん、ウィットやジョークのある会話や、あるいはアドリブ演奏のような瞬間的な展開においても、創造的思考力が働いているのだと思います。
そしてその思考の裏には「批判的思考」が同時に働いています。つまり、まったく新奇なことを考えているわけではなく、これまでの慣習的なやり方を分析して、従来のやり方を乗り越えようといるわけです。
従来の入試問題ではこのような「批判的・創造的思考」はごく一部の学校でしか問われてきませんでした。理由は選考に時間がかかるからです。
優秀な人材を採ろうとする入社試験では、面接やグループディスカッションなどを通して発想力やコミュニケーション能力が問われているのに、大学入試を初めとする受験ではそういう力が問われてこなかったというのは実に不思議なことです。「効率性重視の20世紀型選考」と言えるのかもしれません。
答えのない問いがなぜ大事なのか
世の中のテストはたいてい模範解答があって、そこに早く到達することが優秀であるとされています。
しかし、こういった評価になじむと、ハイリスクな思考をしなくなります。「正解らしき」ものを探すようになってしまうのですね。すでにある知識にすがるので、新しい知が創造できなくなります。
ハイリスクな思考=イノベイティブな思考が教育の中で必要なくなっては、社会が停滞してしまうのも無理からぬ話です。
答えのない問い、しかも高次の思考によって「より良い答え」に到達し得る問いが大切である所以です。
もちろん無からは有を生み出せないという面もあります。そういう意味では先人の考えを参考にすることも少なくはないでしょうが、そこから独自の思考やアイディアを加えていくからこそイノベーションも生み出されるのです。
形式としては小論文や面接という、効率重視の中で捨て去られてきたテストがそのような問いの可能性を秘めています。このようなテストは、2020〜21年の大学入試改革の目玉となるでしょう。
また、中学受験の世界で昨年あたりから急速に広がり始めた「思考力テスト」の狙いもそこにあるのです。
STEAM教育が広がってきました
STEM教育というのを耳にしたことがあるでしょうか。
Science, Technology, Engineering, Mathmaticsの頭文字をとったもので、理工系、あるいは科学技術に関する人材を育成するプログラムの必要性から生まれてきた言葉です。
このSTEMにArts(芸術)を含めたものがSTEAM教育です(Applied Mathmatics (応用数学)を含めたSTEAMもあるのですが、ここではArtsを含めたものをSTEAM教育と呼ぶことにします)。
理数系科目になぜ芸術が加わってくるのかがピンとこない人もいるかもしれません。それは日本において、アートが工芸などにおける手先のことだと考えられてしまう風潮と関係しています。
何しろ「芸術」はもともとリベラルアーツの訳語だということで、西洋における「アート」に対応する概念を日本人は持っていなかったと指摘する人がいるくらいです。
それはさておき、欧米の現地校やインター校などでは、Design&Technologyという科目が設置されていたりします。日本の「技術」のような授業です。