「英語哲学授業」受講生が渋谷幕張中に合格!

1月24日は渋谷教育学園幕張中学の帰国生入試の発表日でした。午前10時の発表時間の少し前に受講生のお母様から電話が入り、「渋幕に受かっていました。信じられません!」という喜びの声が届きました。

この受講生は5年生の時に英検1級に合格するなど、英語力は抜群です。しかし、昨今の帰国生入試では英検1級が必ずしも合格の決め手とは言えないほど一部の人気校の英語レベルが高くなっており、「英検1級を取得した子でも受からなかった・・・」などと過去の受験生の話を聞くにつれお母様の不安は増大していったのでしょう。それが「信じられません」という言葉に表れていたわけです。

帰国生の中学受験の現状を知らない人にとっては、英検1級を持っている受験生が不安に感じる入試レベルとはいったいどんなものなのか不思議に思うかもしれません。しかし、実際難関校といわれる学校は、英検の取得級だけで合格を予測できないことは確かです。取得級よりも「英語思考力」が合格に必要な要因なのです。

この「英語思考力」を考える際には首都圏模試センターが活用している思考コードが役立ちます。


首都圏模試センターの「思考コード」

英単語をたくさん知っていることも英語力の要素ではありますが、英文の論理構造を把握したり、新たな文脈を形成するライティングのスキルや対話力なども大切な英語コミュニケーション能力です。
従来の学力観では、A軸やB軸ばかりが重視されC軸は公平な評価にならないとして捨て去られてきました。しかし、エッセイや面接での入試で問われるのは実はC軸の思考力で、帰国生入試は受験者人数が比較的少ないために、エッセイや面接を課す学校が多くあり、結果的にC軸の思考力がずっと問われてきているのです。

一般的に語学は記憶することによって習得するものだと考えられています。単語を覚え、英文法を理解し、それがある程度できるようになったら、長文を読解してその後英作文をするなどというイメージが強いのではないでしょうか。この道筋は母語が支配的になった段階の学習方法としては悪くないかもしれませんが、多くの小学生にとっては「面白くない」という致命的な欠点があります。これを克服することで習得されるのが語学だという意味では「語学に王道なし」は真理を突いていると言えるかもしれません。

しかし一方で、第2言語を母語のように習得するアプローチもあります。幼児期から小学生低学年においては母語がそれほど支配的な地位にないので、外国語によって考えることが大人ほど苦労せずに可能になるわけです。そのような生徒は、まず楽しめるかどうかがポイントですから、哲学授業のように、正解は一つではない世界で考える楽しさを味わえるということが学習のエンジンになっていきます。

渋谷幕張に合格したこの受講生に話を戻すと、この受講生は、本当に哲学授業を楽しんでいました(現在も受講中なので進行形なのですが)。この受講生が渋谷幕張中に合格したのは、そのような特性が発揮されたことが大きかったのだと思います。

受験勉強というと、暗記・詰め込みのようなイメージを持たれるかもしれません。そして帰国生入試においても難しい英文法などが出題されることはあります。しかし、合否はそこで決まっているわけではなく、エッセイライティングであったり、英語面接であったり、あるいは詩や小説など、創造的な読み取りで決まっていることが多いのです。
嫌いなタイプの学習に子どもを閉じ込めるのではなく、得意な思考力が発揮されるような方向に学習を伸ばしてあげることが大切です。
 
もう一点、付け加えておきたいことがあります。それは英語哲学授業が国内の大学受験にも効果的であるということです。GLICCの英語哲学授業を担当しているAlex Dutson先生は、数年前まで東京の私立中高で教壇に立っていました。そこで帰国生の指導をしてきたのですが、日本の大学受験対策などにとらわれず、大学受験の直前まで文学作品の分析を生徒に課し、3000ワードで論文を提出されるなどといった授業を展開していました。その成果は、東大や早慶を初めとする難関大への合格者の輩出からも明白です。中学入試を終えた帰国生にお勧めする講座が英語哲学授業です。

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