答えのない問いがなぜ大事なのか

世の中のテストはたいてい模範解答があって、そこに早く到達することが優秀であるとされています。

しかし、こういった評価になじむと、ハイリスクな思考をしなくなります。「正解らしき」ものを探すようになってしまうのですね。すでにある知識にすがるので、新しい知が創造できなくなります。

ハイリスクな思考=イノベイティブな思考が教育の中で必要なくなっては、社会が停滞してしまうのも無理からぬ話です。

答えのない問い、しかも高次の思考によって「より良い答え」に到達し得る問いが大切である所以です。 

もちろん無からは有を生み出せないという面もあります。そういう意味では先人の考えを参考にすることも少なくはないでしょうが、そこから独自の思考やアイディアを加えていくからこそイノベーションも生み出されるのです。

形式としては小論文や面接という、効率重視の中で捨て去られてきたテストがそのような問いの可能性を秘めています。このようなテストは、2020〜21年の大学入試改革の目玉となるでしょう。

また、中学受験の世界で昨年あたりから急速に広がり始めた「思考力テスト」の狙いもそこにあるのです。