21世紀型教育機構「新中学入試セミナー」レポート

2月19日、和洋九段女子にて、21世紀型教育機構主催のセミナーが行われました。2017年中学入試を振り返り、2018年度の動向を予測するという趣旨で、21世紀型教育を実践している学校の先生方がそれぞれの切り口でプレゼンテーションを行いました。

イベントのテーマは次の通りです。

  1. 2020年大学入試改革に影響を与える私立中高一貫校の教育
  2. 2017年中学入試分析と2018年の新展望
  3. 21世紀型教育の果実そしてフューチャールーム
  4. 未来を動かす私立中高一貫校そしてC1英語と革新的授業
  5. 中学入試を転換させる思考力入試そしてSGT
  6. 世界を変える21世紀型教育そして理軒館

私も会場に行き、お話を聞かせていただきました。確信したことは、21世紀型教育への学校改革は、トップの強い思いが必要だということです。詳細なレポートが21世紀型教育機構のホームページにアップされているので、ご覧ください。

後編のパネルディスカッションにおいて三人のリーダーが学校改革に向けた思いを語っています。

かつて広尾学園を人気校に押し上げ、現在は三田国際学園を超人気校にした大橋理事長は、「Soul」という言葉を使ってその思いを語っていますし、工学院大付属中高校長の平方先生は、学校改革のためには教員の意識の共有が前提になるということを話されています。さらに、前かえつ有明中高の校長で現在は香里ヌヴェール学院の学院長として学校改革を進めている石川先生は、ミッション校らしく「Man for Others」の精神を掲げています。

こういった思いを学校全体で共有する際に、どの学校も共通して使っているのが「思考コード」です。もちろん思考コードの中身は学校によって異なるのですが、これが意識の共有のために必要となるのです。一方で、思考コードを共有するということは、自分達の世界の枠組みを知ることでもあり、それが同時に世界を超えるための仕掛けでもあるわけです。

セミナーの最後にも「世界を変える」という表現が出ていますが、世界を創りだすためには、世界を見ている枠組みを意識しておくことが大切だということなのでしょう。

偏差値的尺度だけの相対的ポジションを確保する競争から、自分の個性を発揮し、その強みを活かして他の人と協働する能力を磨くことが21世紀型教育の本質だという意味がよく分かるセミナーでした。上記のレポートは特に中学受験生を持つ保護者は必読です。