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21世紀型理数教育のあり方とは

By hiros on 2016/10/17(Mon) - 00:02

 理数教育がメディアに取り上げられることは、英語教育などに比べると少ないようです。それは日本の理数教育が国際的に見て比較的優位にあると思われているからかもしれません。日本人は科学の分野からノーベル賞を毎年出しているし、そういう意味ではうまくいっているのではないかといった感じでしょうか。しかし、今年ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典教授は日本の現状に警鐘を鳴らしていると朝日新聞が報じています。

大隅さんはこれまでの研究を振り返りながら、「日本の大学の基礎体力が低下しているのは深刻な問題」と指摘。研究費の多くが競争的資金になると長期的な研究が困難になるとし、今後、新しい研究分野で日本人がノーベル賞を受賞するのは「非常に難しくなっているのではないかと危惧している」と述べた。 (朝日新聞デジタル 2016年10月7日より)

「基礎体力が低下している」のは、研究費など財政面もあるでしょうが、研究者の層の厚さや研究への姿勢なども含まれていると考えられるのではないでしょうか。つまり、短期的成果に向かうというのは、専門領域以外に対する幅広い関心が薄れていることの表れと言ってもよいかもしれません。

中学生の定期試験対策。。。

By hiros on 2016/09/24(Sat) - 23:12

グリックでは、中学生の定期試験対策も行っています。生徒のモチベーションにつながるのであれば、点数が上がる方がいいに決まっていますから。

しかし。。。

このようなグローバル化の中にあっても、定期試験の内容というのは、この半世紀ほどほとんど変わっていないのです。

中1の英語の問題を例に取れば、Kenなどと名前を呼びかけた後にカンマがなければ減点ですし、センテンスの最後にピリオドがなければ、これまた減点です。

punctuationの大切さを教える事に異論はありませんが、スペリングや文法の間違いをアプリが指摘してくれる時代に、こういうことによって中1の最初の成績が決するというのは、いかがなものかと思います。

こういう事に注意して点数をあげるくらいなら、もっと大事な事をたくさん学ぶことができるだろうにと残念な気持ちになります。

大学入試問題の前に、定期試験の内容にこそ国民がもっと目を注ぐべきなのかもしれません。

Dutson先生の「哲学授業」を開講します

By hiros on 2016/09/22(Thu) - 17:57

かえつ有明で帰国生クラス(Honors Class)を教えているDutson先生がいよいよGLICCに登場します。

英語で哲学的対話を行う「哲学授業」では、探求を深めるための「問い」を引き出し、より高いレベルの知に誘います。Dutson先生の授業は、国際バカロレア(IB)の「知の理論(TOK)」のスタイルを取り入れつつ、より広い範囲についての議論を自由に行う「ソクラテスメソッド」に依拠しています。

ケンブリッジ大学で修士課程で学んできたDutson先生から、2000年以上の長い歴史を持つ「哲学」の世界を直接体験するチャンスです。

帰国生入試で集団面接を控えているという子どもはもちろん、思考を刺激する対話を英語で経験してみたいという方にぜひお集まりいただきたいと思います。

  • 10月8日(土)  無料体験授業 各クラスとも定員10名
  • 午後4時~4時50分 :  小学5年生
  • 午後5時~5時50分  : 小学6年生

議論を創造的なものにする資質とは

By hiros on 2016/09/18(Sun) - 21:54

面白く活発な議論というのは、そこに参加している人が自由な雰囲気を感じることで生まれてきます。そして、その雰囲気というのは誰かが「リスクテイク」することで拓かれていくのだと思います。

つまり、リスクテイカーになれるかどうかが議論を活性化する鍵です。「こういうことを言うとみんなから馬鹿にされないか」などといった不安を克服して、自分の思ったことを発言していくことがグループの創造性を引き出すのです。

グリックでは、クラス内の対話や議論を重視します。それは入試の集団面接対策といったことを越えて、大げさに言えば、今後の人生の根本的なスキルになっていくのだと考えています。

 

2017年度 帰国枠大学入試がスタート

By hiros on 2016/09/04(Sun) - 18:05

9月3日(土)に、早稲田大学の帰国生入試が実施されました。政経学部は2015年度から共通試験方式での帰国生募集は停止しており、グローバル入試という名の試験制度で国内の受験生と合わせて募集をしています。今年は4日(日)に政経学部のグローバル入試が実施されたので、生徒によっては3日・4日と連続の入試日となりました。さらに慶應を併願し1次の書類審査に合格している生徒は、5日が法学部、6日が総合政策、7日が経済学部、8日が文学部と続くので、かなりハードな1週間となります。

今年の帰国生入試の小論文Bの試験問題を受験してきた生徒から見せてもらいました。ここ数年早稲田の帰国生小論文では、似たようなテーマの出題が続いていますが、今年もその傾向は変わっていません。すなわち、共同体の紐帯や社会力といったものが弱まっている現代社会に対する問題意識を問うものです。

「思考力重視=知識力軽視」ではない

By hiros on 2016/08/06(Sat) - 18:28

「創造的思考力」というと、天才的なひらめきのように感じるかもしれませんが、GLICCでは、私たちがふだん意識せずに発揮している能力の一つだと考えています。

企画会議の最中や明日のプレゼンの構想を練っているときはもちろん、ウィットやジョークのある会話や、あるいはアドリブ演奏のような瞬間的な展開においても、創造的思考力が働いているのだと思います。

そしてその思考の裏には「批判的思考」が同時に働いています。つまり、まったく新奇なことを考えているわけではなく、これまでの慣習的なやり方を分析して、従来のやり方を乗り越えようといるわけです。

従来の入試問題ではこのような「批判的・創造的思考」はごく一部の学校でしか問われてきませんでした。理由は選考に時間がかかるからです。

優秀な人材を採ろうとする入社試験では、面接やグループディスカッションなどを通して発想力やコミュニケーション能力が問われているのに、大学入試を初めとする受験ではそういう力が問われてこなかったというのは実に不思議なことです。「効率性重視の20世紀型選考」と言えるのかもしれません。