出願についてのスケジュール管理をすべて受験生にまかせるのは酷です。高校生なのだから大学受験の出願準備くらい自分でやってくれと思う方もいるかもしれませんが、そのように思う方は、帰国生入試や総合型選抜入試の複雑さをあまり理解されていないかもしれません。
一般入試には、偏差値表があります。偏差値表は母集団がどれほど多いか、あるいは自分と同程度の受験生がどれほどいるかといったことが数値の信頼性の根拠となっており、これに基づいて学校を選んでいれば、自分と同程度の学力の人間が大勢いる環境で学べるとされています。
ところが、帰国生入試や総合型選抜では、母集団の評価尺度が一つではないうえに、そもそも同質の受験生を集めようという意図が大学側にあるとは限りません。
確かに英語力はスコアで測定できるかもしれません。TOEFLなどのスコアをもって、合否可能性を占う予備校もあるでしょう。あるいは、学校の成績、海外であればIBのスコアやSATのスコアで、合否を云々するカウンセラーもいるでしょう。しかし出願書類には、志望理由書や活動報告なども含まれます。また、それらを元にした面接の比重も高いでしょう。さらに小論文の出来は?小論文の何が評価されるのでしょうか。そもそも数ある大学の個性を高校生がどうやって知りうるのでしょうか。
要するに、大学側の選考基準が一つではないのと同様、受験者側の選択基準も多様なわけです。そこで、学校選びは、経験豊富なカウンセラーや講師に頼ることがどうしても必要になってきます。大手予備校の強みはシステム化されていることですが、経験などの暗黙知をシステム化できないところは、やがて淘汰されるでしょう。おそらく経験豊富な講師やカウンセラーは、自分のノウハウをただで組織に提供するほど愚かではないでしょうから、準備が整った人から組織を離脱し始めます。
そうなれば、特定の大学に何人入ったとか言って騒いでいる組織が、あまりに時代錯誤であることが明白になり、ようやく、多様な才能が活躍する時代が到来するでしょう。GLICCとしては、その到来をわずかでも早めることができるようにお手伝いをしていきます。
さて、大切なことを忘れていました。そういうわけで、帰国枠・総合型選抜の大学入試カレンダーは、少しでも受験生の出願のお手伝いができるように公開しています。GLICC会員の方には、オンラインコースからより詳細な情報にアクセスできるようにサポートしています。