2017年度 帰国枠大学入試がスタート

By hiros on 2016/09/04(Sun) - 18:05

9月3日(土)に、早稲田大学の帰国生入試が実施されました。政経学部は2015年度から共通試験方式での帰国生募集は停止しており、グローバル入試という名の試験制度で国内の受験生と合わせて募集をしています。今年は4日(日)に政経学部のグローバル入試が実施されたので、生徒によっては3日・4日と連続の入試日となりました。さらに慶應を併願し1次の書類審査に合格している生徒は、5日が法学部、6日が総合政策、7日が経済学部、8日が文学部と続くので、かなりハードな1週間となります。

今年の帰国生入試の小論文Bの試験問題を受験してきた生徒から見せてもらいました。ここ数年早稲田の帰国生小論文では、似たようなテーマの出題が続いていますが、今年もその傾向は変わっていません。すなわち、共同体の紐帯や社会力といったものが弱まっている現代社会に対する問題意識を問うものです。

「思考力重視=知識力軽視」ではない

By hiros on 2016/08/06(Sat) - 18:28

「創造的思考力」というと、天才的なひらめきのように感じるかもしれませんが、GLICCでは、私たちがふだん意識せずに発揮している能力の一つだと考えています。

企画会議の最中や明日のプレゼンの構想を練っているときはもちろん、ウィットやジョークのある会話や、あるいはアドリブ演奏のような瞬間的な展開においても、創造的思考力が働いているのだと思います。

そしてその思考の裏には「批判的思考」が同時に働いています。つまり、まったく新奇なことを考えているわけではなく、これまでの慣習的なやり方を分析して、従来のやり方を乗り越えようといるわけです。

従来の入試問題ではこのような「批判的・創造的思考」はごく一部の学校でしか問われてきませんでした。理由は選考に時間がかかるからです。

優秀な人材を採ろうとする入社試験では、面接やグループディスカッションなどを通して発想力やコミュニケーション能力が問われているのに、大学入試を初めとする受験ではそういう力が問われてこなかったというのは実に不思議なことです。「効率性重視の20世紀型選考」と言えるのかもしれません。

答えのない問いがなぜ大事なのか

By hiros on 2016/08/01(Mon) - 20:25

世の中のテストはたいてい模範解答があって、そこに早く到達することが優秀であるとされています。

しかし、こういった評価になじむと、ハイリスクな思考をしなくなります。「正解らしき」ものを探すようになってしまうのですね。すでにある知識にすがるので、新しい知が創造できなくなります。

ハイリスクな思考=イノベイティブな思考が教育の中で必要なくなっては、社会が停滞してしまうのも無理からぬ話です。

答えのない問い、しかも高次の思考によって「より良い答え」に到達し得る問いが大切である所以です。 

もちろん無からは有を生み出せないという面もあります。そういう意味では先人の考えを参考にすることも少なくはないでしょうが、そこから独自の思考やアイディアを加えていくからこそイノベーションも生み出されるのです。

形式としては小論文や面接という、効率重視の中で捨て去られてきたテストがそのような問いの可能性を秘めています。このようなテストは、2020〜21年の大学入試改革の目玉となるでしょう。

また、中学受験の世界で昨年あたりから急速に広がり始めた「思考力テスト」の狙いもそこにあるのです。

 

STEAM教育が広がってきました

By hiros on 2016/07/31(Sun) - 08:42

STEM教育というのを耳にしたことがあるでしょうか。

Science, Technology, Engineering, Mathmaticsの頭文字をとったもので、理工系、あるいは科学技術に関する人材を育成するプログラムの必要性から生まれてきた言葉です。

このSTEMにArts(芸術)を含めたものがSTEAM教育です(Applied Mathmatics (応用数学)を含めたSTEAMもあるのですが、ここではArtsを含めたものをSTEAM教育と呼ぶことにします)。

理数系科目になぜ芸術が加わってくるのかがピンとこない人もいるかもしれません。それは日本において、アートが工芸などにおける手先のことだと考えられてしまう風潮と関係しています。

何しろ「芸術」はもともとリベラルアーツの訳語だということで、西洋における「アート」に対応する概念を日本人は持っていなかったと指摘する人がいるくらいです。

それはさておき、欧米の現地校やインター校などでは、Design&Technologyという科目が設置されていたりします。日本の「技術」のような授業です。

ルーブリックの活用

By hiros on 2016/07/30(Sat) - 23:09

GLICCでは毎回の授業後に、ルーブリックを使って学習者自身がセルフリフレクション(自己評価)を行っています。

3〜4つの観点別に、3段階の基準で評価してもらっていて、スマホでピッ,ピッ,ピッ,とわずか15秒くらいで終了です。時間は短いのですが、毎回これが蓄積されるので、学習者の意識の変化がある程度わかるようになります。

学習者の意識が変化していくのに合わせて、ルーブリックの観点や基準も徐々に進化していきます。

それまでは漠然としていた項目がより具体的になっていくのです。例えば、「授業に参加する準備は万全だった」という項目が、「意味の分からない英単語は全て調べておいた」といった項目になるといった具合に。

最初から細かすぎるとリフレクションが面倒になるのですが、このように評価軸が学習者に合わせて進化していくということは、その進化自体が先生からのフィードバックになっているとも言えます。

もちろん、ルーブリックを正しく進化させるためには、先生の中にメタルーブリックがないとダメなのですが。

21世紀型教育を掲げる学校が、思考コードや知のコードを重視するのは、一人ひとりの先生が使う独自ルーブリックの前提となる枠組みを学校として提供しようということなのでしょう。

GLICCの英語授業

By hiros on 2016/07/28(Thu) - 06:20

GLICCの英語授業は、日本人と外国人講師によるコンビネーションが基本です。そしてグループでの対話、スピーキングやライティングなどのアウトプットを重視します。

一方向型の授業は一見効率が良いように見えますが、学習者の興味と関心がついてこないと定着も継続もしません。

したがって、一人ひとりの関心や学習スタイルに沿った課題(アサインメント)を出し、その成果を授業に取り込みながら、英語力を高めていきます。

その場合の英語力というのは、「中身のあるコミュニケーション」が英語でできることです。たとえたどたどしい話し方でも、自分の伝えたいことを伝えられることが、学習者のモチベーション維持につながっていくのです。

学習スタイルや興味が異なっていても、グループで学ぶことは可能です。というより、グループのメンバーそれぞれの関心が違うからこそ、対話が面白いものになっていくのです。

リフレクションにはルーブリックが使われます。学習者が自分自身で成果を振り返ることで、次の目標へと進んでいくようになります。

 

TOEFL(R)対策も無料オンラインの時代へ

By hiros on 2016/07/26(Tue) - 09:46

オンライン学習、特に米国を中心としたMOOCS(大規模公開オンライン講座)の勢いは止まりません。

「edX」が2回目の無料対策講座を実施するようです(共同通信PRワイヤーの記事による)。

1回目の講座は20万人の受講者がいたということですから。これは恐るべきことですね。英語資格講座はどんどん無料に近づいていくことになります。

無料で講座を行ってどこで利益を上げるのか?

もちろん、テストでしょう。他の英語資格試験に向かう層を取り込んで、TOEFLを受験するように仕向けることができれば、ETSにとって講座が無料なんて何ということもありません。

教育もグローバル化の波の只中です。

各社どう対抗するのか。いや私たちGLICCにとっても他人事ではないのですが・・・。

 

オンライン学習の課題

By hiros on 2016/07/23(Sat) - 22:54

スタディサプリが巷で話題になっているようなので、私も遅ればせながら試してみました。で、結論としては、やはりオンライン学習はまだまだリアルの学習に取って代わるまでには至らないなあというごく平凡なものです。