21世紀型教育機構(21st CEO)が日本の教育界を揺るがすシンポジウムを新たに企画しているようです。私立学校研究家の本間勇人氏のブログに速報が掲載されています。
そこには「『グローバル高大接続準備教育』というイノベーションで新次元にシフトする」と書かれています。高大接続は最近よく目にする言葉ですが、「グローバル高大接続」というキーワードは初めて目にしました。21世紀型教育機構がこのキーワードにどのような思いを込めているのでしょうか。それは単に海外大学進学という選択を加えたという意味を超えるものがあるように思います。
周知のように、「高大接続」というのは、高校の本来的な教育が大学受験勉強のために変質して、高校から大学にかけての流れが分断されないよう、学びを継続する仕組みを制度化しようとするものです。大学入試改革と合わせて、旧来の受験制度にくさびを打ち込む重要な役割を持っていると言えます。
しかし、高大接続の視野が国内だけにとどまると、従来の大学序列の意識は何ら変わらず、結局は大学間序列を固定化してしまう危険性もあります。つまり、国内での競争(ポジション争い)にしか目がいかず、これからますます本格化する第4次産業革命のグローバル競争に目が向かなくなってしまう恐れがあるのです。
世界の競争は、すでにイノベーションを起こす「才能の競争」になっています。そのような時代においては、国境を飛び越える意識や目まぐるしい変化に対応できる柔軟性が大切になることは言うまでもありません。
シンポジウムは5月27日に実施され、4月には申込みフォームが21世紀型教育機構のホームページ上で公開されるようです。教育関係者はもちろん、これからの大学進学を考える小中高生、そしてその保護者には見逃せないイベントとなることは間違いないでしょう。