大妻中野 入試改革のスピード感

大妻中野の動きの速さには驚くばかりです。昨年「グローバルリーダーズコース(GLC)」を設置し、さらに「新思考力入試」を導入した衝撃も冷めやらぬうちに、今年は2018年入試に向け算数入試の実施を打ち上げました。一連の入試改革の狙いについて、教頭の諸橋先生と広報部部長の篠原先生にお話を伺ってきました。

大妻中野と言えば、2002年から16年間実践してきた帰国生教育に定評があり、多様なバックボーンの帰国生を受け入れる体制は万全です。しかし、大妻中野の本当の凄さは、そういった評判に安住せずに、常に次のステージへと向かっていく点にこそあるでしょう。

帰国生クラスをグローバルリーダーズコースに発展させ、グローバル入試を設置したことは、そういったチャレンジの一つの表れです。帰国後3年以内という帰国枠の出願条件に合わなくても、英語力をつけている子どもはたくさんいます。そのような帰国生並みの英語力を持つ子どもたちにも門戸を開き、幅広い生徒を受け入れようとしたわけです。

「算数入試」の新設にも、今後ますます重要になる理数教育への対応という意味があります。もともと大妻中野の理数教育の質は外部からの評価も高く充実しているのですが、これからの社会では、従来型大学受験への対応という意味とは異なる次元でSTEM教育が求められてきます。そのような社会の変化を見据えた結果が「算数入試」の新設なのです。

このように、大妻中野の入試(アドミッションポリシー)は、GLCやSTEM教育といったカリキュラムポリシーを反映しています。英語の授業がオールイングリッシュであったり、英語に加えて第2外国語としてフランス語も必修として学ぶカリキュラムになっているのは、今後のグローバル社会で求められることを考えれば当然です。そしてこのようなカリキュラムは、大学進学という出口であるディプロマポリシーにもつながっていきます。海外大学進学にも力を入れていくという方向性はこの流れの延長線上にあるものです。

お話を伺った後で、校舎見学もさせていただきました。ちょうど1学期の始まりで、どのクラスもオリエンテーションを行っていました。ふと通りかかったGLCの中2授業で、2名がペアになってお互いのパートナーを英語で紹介する授業が行われていました。

ここでは英語を使うことは至極自然なことで、張りつめたような緊張や気負いなどは感じられません。和やかな雰囲気の中で英語が使われているのが印象的でした。諸橋先生によれば、帰国生は積極的な生徒が多く、このクラスの生徒たちが中1の時には3分の2の生徒が学級委員に立候補したとのことです。

大妻中野高校は、2015年にSGHアソシエイト校に認定され、グローバルイシューについての学びも盛んです。キリンや博報堂などの企業、あるいは上智大学や東京芸術大学と連携しながら、東京という国際共生都市からアートイベントを発信するプログラムを継続しています。

こういった新しい試みを次々に進めていく速さの理由を諸橋先生にお尋ねすると、校長先生の言葉を引き合いに出されました。それは「生徒に1年待たせることは、社会的には10年の遅れをうむことになってしまう」という言葉です。大妻中野の確固とした改革へのヒントは、どうやらここにあるようです。

新思考力入試も、算数入試も、帰国生入試・グローバル入試も、子どもたちそれぞれの学びの特性、バックボーンの多様性、そして社会の変化への対応として進化してきたものなのでしょう。大妻中野もGLICCが応援する学校の一つです。