八雲学園の共学化が大きな反響を呼んでいます。先日、高校部長の菅原先生にお話を伺ってきました。
詳細は5月1日以降に明らかになるということですから、受験生保護者の方は、学校のホームページや説明会、また各塾から届く情報をぜひチェックしておいてください。
この共学化の背景には、八雲学園がラウンドスクエアに加盟したことが関係していると21世紀型教育機構の本間勇人氏がいち早く分析記事を書いています。
ラウンドスクエアについては、日本ではほとんど知られていませんが、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)のアトランティックカレッジ創設に尽力したクルト・ハーン氏が設立した国際的な学校ネットワークです。UWCは国際バカロレア(IB)の代名詞的存在とも言える学校で、ご存知の方も多いと思います。
IBは、ともすると大学進学の単位認定の側面からディプロマに関することばかり注目されますが、実はフィールドトリップや、CASのエクスペディションと呼ばれる小旅行も大きな特色となっていて、そのような活動を通してチャレンジ精神や社会貢献のスピリットを持つ真のエリートが輩出されているのです。
そういった貢献や奉仕の精神を持ったリーダーを育んでいこうとする学校のネットワークがラウンドスクエアです。IB校でかつラウンドスクエアにも加盟している学校もあれば、カリキュラムは独自のものを使い、ラウンドスクエアに加盟することで国際交流で世界のリーダーとつながっている学校もあります。
ラウンドスクエアへの加盟に際しては審査も簡単ではありません。今回の八雲学園の加盟は、これまでの破格の国際交流の実績が効いているのでしょう。イェール大学の学生との交流や、サンタバーバラの名門ケイトスクールと姉妹校であることなどを見れば、国際的な評価はおよそ想像がつきます。ラウンドスクエアの人が実際に学校の視察にも来たそうですが、理念・設備・教育内容など、どこをとっても世界基準を軽くクリアする学校であることはすぐに了解できたでしょう。
この八雲学園に男子が入ってくるインパクトは社会的にも非常に大きいと思います。男子は従来型社会の価値観を背負わされて、「なんとなく無難な大学」を「なんとなく卒業」する人が多いと言われます。留学などをする学生は私の周囲を見ても確かに女性が圧倒的に多いようです。
しかし、男子にとっても、八雲学園のような学校のスピリットに触れることで、自分の価値を理解し(ということは同時に他者の価値も理解し)、人生における目標を自問しながら前進していくようなリーダーが育っていく大きなチャンスが開かれたと言えるのではないでしょうか。私立学校を選ぶ理由の根源はそこにこそあるはずです。