合格速報:金沢大学人間社会学域経済学類

先日の上智大学新聞学科合格に続き、嬉しい合格の報せが届きました。GLICCの大学受験科で小論文と英語を学んでいた生徒が金沢大学人間社会学域経済学類に見事合格を果たしました。

この生徒は中国での生活が長い帰国生で、今回受験した入試も帰国枠でした。しかし、日本語よりも中国語の方が得意な彼にとって、帰国生入試で課される日本語小論文は外国語エッセイのようなものでした。それでも国籍もアイデンティティも日本人であるからという自負の下、留学生試験ではなく帰国生入試にチャレンジを続けて勝ち取った栄冠です。

彼の表現は決して上手だとは言えません。漢字も簡体字に慣れてしまっていますから、日本の漢字を基準にすれば「間違い」となってしまう表記が目立ちます。こういった「表現・表記」の技術の問題で、これまでいくつかの私大の入試で苦戦を強いられてきました。
一方で、思考力の方はと言えば、非常にクリティカルでクリエイティブな知性を持っている生徒です。論語など中国の古典についての造詣も深いですし、中国人のメンタリティについても、歴史との関わりを踏まえて鋭い分析を行います。

今回金沢大学に合格したのは、彼の中国語力もさることながら、クリティカルでクリエイティブな知性が評価されたのだと思います。
小論文を書くことで思考力が測れるという面は確かに一面の真理ではありますが、たとえ書く技術が未成熟ではあっても、対話や面接を通してその人の思考力を見抜くことは可能です。

帰国生入試というと、すぐにTOEFLやIELTSのスコアと小論文の対策という受験技術の面ばかり注目されてしまうことが多いのですが、自分が身につけてきた強みをきちんと評価してくれる大学こそがよい大学だと言えるでしょう。

合格おめでとうございます!!