2022年度中学入試に向けて(2)

中学入試の世界において、「入試問題は学校の顔」とよく言われます。それはふだんのカリキュラムや授業を通して形成される先生方の考えが入試問題に反映されることを意味しています。これは高校入試や大学入試にくらべて中学入試に顕著な傾向です。高校入試の場合は、帰国生入試やIB入試を除くと、併願として受験するであろう公立高校の入試問題の影響が強いため、私立学校が独自性を打ち出しづらいという側面があります。大学入試でも、学部ごとの特徴は多少出るものの、教科を超えて大学の特徴が反映されるということはありません。

要するに中学入試問題は、単に問題の解き方や難問奇問に注目することより、出題の背景や学校文化とのつながりに注目するところに面白みがあるわけです。
GLICC Weekly Edu 第16回では、麻布の入試問題を取り上げ、その学校で得られる学びの質について言及しています。私立学校研究家の本間勇人さんが、今回のパンデミックと重ねて問題の背景を分析し、麻布中学の問いがいかにクリティカルシンキングにつながっているかということを詳しく解説しています。

もともと、思考力を問うということが中学入試の世界にはあったのですが、塾が受験生を多く取り込むにつれて、問題の類型化が進み、対策のパターン化がすべてであるかのように喧伝されてしまったという経緯があります。しかし、そのパターン化で対応できない問題を出題しようとする学校が多く表れてきたのがここ数年の「新タイプ入試」の拡がりということです。解法パターンを暗記するような勉強から離れることこそ、クリティカルでクリエイティブな学びにつながるのです。

若い保護者はそのことに気づいています。ただ、2科4科の勉強をしないと「よい私立学校」に入れないと思い、仕方なく塾の競争的環境に子どもを入れていることがしばしばあります。

2月21日に実施される「新中学入試オンラインセミナー」では、先の麻布で出題されるようなクリティカルシンキングやさらに先にある創造的思考力までも出題してくる入試問題が話題となるでしょう。21世紀型教育機構の学校はそういった志をもって果敢に"塾歴社会"に挑戦しようとしています。ぜひ各校の学校の先生の話を聞いてみてください。こちらからお申し込みできます。参加は無料です。