IB Japanese のIndividual Oral

2021年Mayが最終試験のIBDP生は、このパンデミックでPaper 2 がなくなり、IOとPaper1とでほぼ成績が決まることになります。これは2021 Nov最終試験の生徒も同様だと思います。

ここから先は主にSLおよびSSSTの生徒に向けた情報となりますが、2021May以降の改訂カリキュラムのIOでは、グローバルイシューと2作品のつながりについて論じることになります。さらに、その2作品は、日本語オリジナル作品と翻訳作品との組み合わせである必要があります。

以前のカリキュラムでは、2作品の構造的あるいはテーマにおける共通性に着目して論じることがポイントでしたが、新しいカリキュラムでは、むしろグローバルイシューが鍵で、それをきちんと押さえて2作品を論じていれば無理に共通性に触れる必要はありません。グローバルイシューが共通しているからです。

日本でもSGDsが注目されており、地球規模の問題は世界的な教育の潮流です。かつて民主主義の教育が必要であったように(今もなお必要ですが)、グローバルシチズンの教育がますます必要な時代になってきたということです。地球環境、ジェンダーや人種などの差別、格差などにどう向き合っているかということが結局は自分への(あるいは会社への)評価となって返ってくる時代になっています。これは、最近の報道で問題とされている事柄を思い出してみればすぐに了解されることだと思います。

文学作品には、テーマそのものがグローバルイシューではなくても、細部にグローバルイシューを見出すことのできるものはたくさんあります。どういうことかというと、「人形の家」を読めば誰しもジェンダー差別というグローバルイシューが思い浮かぶでしょうが、例えば「こころ」という作品に登場する先生の奥さんに注目すれば、それはそれでジェンダーの問題を論じることはできます。つまりグローバルイシューは、中心テーマと異なっていてもよいのです。

その場合グローバルイシューを適切なキーワードで表現できるかどうかはIndividual Oraの出来を左右するでしょう。「近代化」では大きすぎてどんな作品にも言えてしますが、「エゴイズム」では狭すぎて一つの作品にしか適用できないなどということになります。そのあたりのキーワード設定、そして作品から意外なグローバルイシューを見出して論じることがポイントになります。評価の高い分析にするためには、グローバルイシューをしっかり頭に入れておかなければいけないという意味で、やはりIBの「問いの埋め込み」は秀逸です。

日本での入試でも、出題する学校は少ないですが、このタイプの出題があります。そういう出題をする学校はその後の学びにもPBLで生徒の主体的な学びが展開されることになります。2月21日に実施される21世紀型教育機構の「新中学入試オンラインセミナー」で、各校の説明を聞くことができるはずです。

こちらからお申し込みできます。参加は無料です。