英検基準ではなくCEFR基準で考える

昨日帰国生の英検対策について記事を書きました。ただ、そもそも帰国生の英語力を見るのに英検がよいのかどうかには疑問があります。

4技能を出題するという意味では、確かに英検も昔のものとは変わってきてはいます。しかし、各級で受験を想定している年齢は、実際に帰国生が受験している級とは大きな隔たりがあり、帰国生の英語力を測る上では適当な内容だとは思えません。これは日本のテストだからという意味ではなく、テストが対象として想定している受験者層の問題です。ですから同じことはTOEICにも言えるわけで、英語力を示す指標として割り切って使うのは悪くないですが、海外に住んでいる小学生がTOEICの出題傾向に合わせた勉強をすることにはあまり意味がないでしょう。

大切なことは、継続的に伸ばしていく英語力の目標を英検基準だけで考えるのではなく、CEFR基準に変換して考えるということです。複数の検定試験を上手に使っていくのです。CEFRのB1もしくはB2を目標として定め、TOEFL Juniorとかケンブリッジ英検(PETやFCE)などを受けてみるわけです。

これは、小学生の早い段階で英検2級を取得した場合などは、特に有効な手だと思います。2級を取得した後なかなか準1級に届かないという帰国生の保護者からの相談は非常に多いのです。英語力が伸びていないというよりも、目標設定に無理があるかもしれません。次の目標は、英検準1級と考えるよりも、B2レベルとすることで、少し気持ちが楽になります。臨機応変に目標設定を変えてあげることも大切なのではないでしょうか。


各試験団体のデータによるCEFRとの対照表(文部科学省の資料より)